千匠設計プラスって・・・?

鹿児島県鹿児島市で建築設計を行っている千匠設計が「アソビゴコロ」と「イキオイ」でつくったサイトです。建築設計に関する動画情報を中心にお送りしています。建築に興味のある方・・・「おしえて!イワッチ!!」は必見!です。

千匠設計の流儀

土地に秘められた潜在的な特性を読み解き、暮らしにプラスに作用する計画を心掛けています。現場へ足を運び周りの環境を体感することでヒントが生まれます。自然界の生き物にすぎない人間は、無意識に「五感」で安全や快適性を確認しています。自然素材や無公害な材料を適材適所に用い心地の良い空間を目指します。また、少しのエネルギーで効率よく温熱環境が整う室内環境、夏に大きな窓をあければ涼しい風が吹き抜け、冬にはやわらかな太陽の光が室内へと差し込む、自然エネルギーの取り込み方に最大限の工夫をします。自然の恵みを取り込みながらも機械的で精密性能の両方を備えた建築を創造しています。

<住宅設計のコンセプト>
・デザイン性と機能性を合わせ持った「機能美」の追求。
・土地の持つ特性を充分に理解し、その特性がプラスに作用する計画。
・建物を使う人にとって、「本質を極めた計画」であること。
・奇をてらった奇抜さではなく、その地にふさわしいクオリティの高い建築。
・大地、植物、光、風、熱、景色など、自然の恵みを扱う時には最大限の注意を払う事。
・周辺の街並みに対しての調和、対峙、バランスを熟慮する。
・自然エネルギーを活用する「パッシプデザイン」の工夫。

◆2020年建設新聞に掲載した「パッシブデザインのすすめ」

「夏涼しく冬暖かい家」居心地のいい家を目指して

<これからの家づくりの基準になるもの>
1999年に平成11年基準、いわゆる省エネ4等級ができたころは「ここまで大量の断熱材が必要なのか?」と思うほど外皮の断熱性能が高く感じましたが、2009年長期優良住宅や、2010年以降の住宅エコポイントなどが普及すると不思議なもので省エネ4等級は当たり前の断熱スペックになってきました。 合わせて遮熱や日射遮蔽までもが今や当たり前の仕様になろうとしています。 では、これからはどうなって行くのでしょうか?国土交通省のガイドラインによると2020年には「平成11年省エネ基準」を義務化し、さらに2030年には「太陽光発電などを取り入れたゼロエネルギー住宅」を新築住宅の標準にすることが決まっています。また、昨年から「低炭素建築物の認定制度」も始まり石油、石炭、天然ガス、ウランなどの化石燃料(1次エネルギー)の利用を減らす動きが進んでいます。

<実際の家づくりに大切なもの>
1次エネルギーを抑え、かつ快適な家づくりは断熱性だけでは解決できません。 断熱性を高めるのは、外気温度と室内温度に差があっても室内の環境が守られる基礎能力を高める為です。給湯器や照明器具、そして家電など全ての機器を省エネ性の高い機器にする必要があります。さらにもうひとつ忘れてはならないのが、周りの自然エネルギーを利用しエアコンに頼らなくても心地よく過ごせる工夫なのです。 これをパッシブデザインといいます。 外皮断熱と省エネ機器、それにパッシブデザインの3つがそろってはじめて省エネで、「夏涼しく冬暖かい家」居心地のいい家を造ることができます。

具体的なパッシブデザインの描き方
<パッシブデザイン その1 断熱>
鹿児島の夏は日射しがとても強く、25℃を越える夏日が年間220日を越えます。市街地では道路や建物に蓄えられた熱が夜も少しずつ放熱しその地域は昼間の熱が下がらずにヒートアイランド現象が起こります。 そこで、たとえ外気温が高くても室内は一定して涼しくなるように、室外と室内の境面から熱が伝わらいようにする工夫が必要になってきます。それが断熱です。また、冬場は断熱性を上げる事で室内の温かい熱を外へ逃がさないようにしてくれるのです。

<パッシブデザイン その2 日射遮蔽>
夏に室内の温熱環境を壊してしまうものに日射があります。直射日光が窓ガラス面にかかると強烈な太陽熱で室内の温度が上昇してしまいます。 日差しを効果的に和らげるには「日陰」を作ることが効果的です。建物の形や向き、又は植栽などを上手に計画する事で日陰をつくれますが、確実なのは軒や庇を深く出したり、よしずを掛けたりする事です。 鹿児島市の太陽高度は最高に高くなった時で、夏至が82度。冬至が35度といわれますので、それに適した窓と庇を付けておけば夏の日射しはカットされ、冬の暖かい陽は室内へ入ってきます。 夏場に窓から入る太陽熱ををコントロールする事はパッシブデザインには欠かせない要素だといえます。